社長の竹森です。
12月16日の「真相報道バンキシャ!」で吉藤オリィさんの分身ロボットカフェが放送されました。少し前、吉藤さんの活動はインターネットで知りました。
「できない理由を考えるクセ、つけないで」 注目集めるロボット開発者が訴えるわけ
吉藤さんの事務所は、移転する前は、三鷹にあったと聞いていました。いつかお会いしたいなと思っていたので、テレビ放送は、わくわくしてみてました。
障害のある方や、理由があって外に出れない方が、遠隔で操作し、ロボットを動かす。そのロボットが、カフェのスタッフとして、お客様にコーヒーなどを提供するという。
その素晴らしさは、「仕事を提供する」というコンセプト。手当でも、補助でもない。
私の父は、若くして突然、感染症で下半身が麻痺してしまいました。当時、1~2歳だった私には、何の記憶もないのですが、専業主婦だった母は、突然のことに絶望したそうです。リハビリは何の効果もなく、そのまま自宅に戻った父に、母は仕事を探しました。木の板を彫刻する仕事です。当時の日本建築にはまだ使われていた欄間を彫る仕事。やがて、うちの家はいろんな機械が導入され、木工所と化しました。
父は、発明が好きなアイデアマンで、そのころには、まだなかった電動の車椅子も自分で制作し、それに私も一緒に乗せて、20キロ圏内くらいは走りまわっていました。
障がい者でありながら、仕事をし、割と自由に動きまわっていた父でしたが、やはり「自分は監獄に入っていた気分だった。」とよく言っていました。
すでに、父もそれをサポートした母も他界しましたが、今回、このテレビを見ながら、母のことを思い出しました。母は父が障がいを持ったあと、すぐに働きだし、それなりの収入を得ていました。父が働かなくても、それなりに生活はできたはずでした。むしろ、忙しく働く母には、父の仕事のサポートは大変なことだったと思います。
ただ母の口癖は、「人間にとって、仕事をすることは、とても大事なことなのよ。」
吉藤さんが今回提供した画期的なことは、身動きできない人たちに「仕事を作った」ことです。絵をかいたり、話したりということだけではなく、「仕事」を作ったこと。「働いて誰かの役に立ちたい」「働きたい」そう熱望して、この企画に参加された方々。この試みが、どんなに力強く、その人たちに希望を与えたか。もっともっとOriHimeが進化して、もっと自由に働けるようになれる日が早くきますように!
寝たきりの人は就職できない →番田雄太を雇用した
番田は顎でPC操作できるからだ →視線で操作できるPCを作った
金持ちの特権だ →視線入力装置は購入補助制度で1割負担で買えるようにした
番田とオリィ研究所が特別なんだ →カフェで10人働ける事例作ったできない理由を考える癖をつけるな!
— 吉藤オリィ@新著書「サイボーグ時代」1.22日発売 (@origamicat) 2018年11月28日
人間の命、特に日本人の命は、どんどん長くなっていっています。人間の身体のパーツも車や機械と同じ。摩耗したり、壊れたりしてしまいます。
一部が壊れたとしても、それをサポートする何かができるのなら、気持ちが前に進んでいける気がします。いろんな人が、街にいて、仕事をして、遊ぶ。外に出れない人は、家の中で外の人々と会い、仕事をし、交流する。旅行だって可能だし、いろんな体験をし、感動を分かち合うこともできる。
テクノロジーは、父の時代からは想像もできないくらい進化しました。あとは、それをどう使うか、どう受け入れるか、どのくらい熱望するか、どうサポートするか。
つまりは、人間の心の問題。吉藤さんが言うように、できない理由を見つけないで、できる可能性を探っていきたい。