マネ―ジャーの井上です。
今月もお楽しみのサ責研修が終了しました。
今月の研修内容は池袋は「薬」について、代々木公園店は整容部分のなかの「ひげそり」についてです。
「薬についての困った」池袋店研修
薬の介助については切っても切れない援助になります。そして、小さなヒヤリハットが沢山あります。
飲み忘れ、紛失、重複服薬等。
薬は簡単な介助と思いきや、実は慎重な確認が必要。特に沢山の薬を飲んでいる利用者さんや、重要な薬(心臓・血糖・血圧)はそれだけですぐに体に異変が現れるようなものもあるのです。実際に救急搬送されたり、誤薬後に身体機能の低下を引き起こしたり、実はとっても怖いのです。
何よりも怖いのはヘルパー自身が薬の怖さをしらない事です。
「飲んでないようだから・・飲ませました」では飲んだ証拠がない、薬は専門家でないと判断ができません。では、どんなケースが判断に困ったり、誤薬になってしまうのか、実際の困り事について意見をだしてもらいました。日頃「薬で悩んでいる事」「今までで困った事」の意見交換ではどんな意見が出たかというと、
- 薬カレンダーがぐちゃぐちゃで飲んだか判断がつかない
- 認知症のある方が飲んだといわれたが、本当は???
- 塗り薬を、他の傷にも塗ってしまう
- 手にお渡ししても、なくしてしまう
- 手に持ったまま、飲まない
- 貼り薬はずらして貼るように声掛けするが、定位置にしか貼らない
- 量が多いので大変そう
- ベッド上で利用者に飲んでいただく時の、最適な角度とは?
沢山の疑問が出ました。
薬には効果のある飲み方があるので、時間や量を守ることが大事です。また、飲んだか不明の場合は、重複が怖いので、飲むのを見合わせること、できれば薬剤師さんや主治医に確認が必要です。
薬カレンダ―も良いのですが、きちんとそこから取り出せる判断ができる方にはいいのかもしれませんが、それができない方の場合はかえって薬がごちゃごちゃになり混乱を招くことも。
飲んだかの判断は、空き袋を確認するよりほかの手段がありません。ですから、ゴミ箱の中を必死に探し当てることも良くあります。それで見つかればよいのですが、なかなか現場での判断は難しいことが多いです。
また、薬について判断が困るのが、処方薬以外の薬の購入についてです。当社では、基本的には薬局などでの市販薬の購入は、ヘルパーに禁止と言っていますが、サプリメントや栄養食品等も時折、頼まれることがあります。
痛み止めや解熱剤、貼り薬等。ヘルパーが医薬品であるかどうかの判断はパッケージやネットで確認するよりほかにはないです。市販薬は効果が少な目に設定されていますが、副作用や飲み合わせがないとも言い切れないので、しっかりと確認が必要です。
今回の実験は「お薬ゼリーは本当に飲みやすいか?」についても検証しました。
まずはスプーンに適量ゼリーをのせます。その上に粉薬と見立てた青汁粉末を、そしてその上に再度ゼリーを載せます。
ちょどお薬がサンドイッチ状態になる感じです。液体のオブラートですね。高齢者の中にはどうしてもお薬が飲めなかったり、むせこんでうまく飲めない方も大勢います。昔はオブラートだったのでしょうが、今は本当に要介護者に特化した便利な商品がどんどん出ています。お値段も300円前後で、それほど高くない。
それでは参加者に飲んで頂きます、感想は??
「飲んだ時は、薬(サプリ)の味はそれほど感じないが飲み込んだ後はやはり感じる」
「知らない間にのどに入っていく感じ、スルッと飲める」との事。
ゼリー自体に少しだけ味がついて(この時はイチゴ味)いるので、それだけ飲んでも少しおいしいのです。私も飲ませてもらいましたが、ウィダーインゼリーのように、ゼリーと水分があまり分離しない感じがするのと、程よい弾力がのど越しが良いと感じました。これだけで飲んでもほんとにおいしい。
「ひげそりの極意」代々木公園店研修
代々木公園店は今までありそうでなかった「ひげそり」の研修です。
今回の講師である男性のサ責が、女性ヘルパーがひげそりの使い方を知らないことを以前から心配しており、男性目線でのひげそりの「極意」を特別に教えてくれました。
デイの送り出しや入浴時のひげそりの援助がありますが、女性ヘルパーが多い業界なので、どうしてもひげそりの仕方が自己流になっています。はたから見ていると、どうもこわごわやっているようにみえるそう(男性スタッフ談)
今回は、実際に女性スタッフが電気シェーバーを腕にあてて、痛くないか確認して男性スタッフのひげをそらせてもらいました。(男性スタッフはそのためひげをそらずに伸ばしてくれたそう、ありがとうございます)
研修で解ったことやへえ~~~~と思った事をあげてみます(皆さんもぜひご参考になさって!!)
- シェバーは上下に動かしてよい(一方向でなくてよい)
- ひげと垂直にあてるとそりやすい
- シェーバーにも種類がある(携帯コンパクトタイプ、丸い歯が3つでクルクル回るタイプ、一般的なシェーバー)
- 一般的な電気シェーバーの裏側の歯を使うと、長く飛び出たひげがカットできたり、もみあげをきれいに整えることができる
↓↓↓↓この部分でそろえる
- 電気シェーバーは顔を洗う前に使い、T字のかみそり(介護スタッフは使用できませんが)洗顔後に使った方が良い (これはへえ~~~)
(※電気シェーバーはある程度の皮脂があった方が滑りがよく、ひげをそりやすいそうです。T字はその逆ですね。)
- 電気シェーバーは洗剤で洗えるタイプもある
機械もののむずかしさは、メンテナンスもあります。
ひげがたまったまま掃除をしないと刃の目がつまり、全く剃れないということにつながります。ヘルパーの時間の都合上どうしてもメンテナンスまでは時間がないのですが、方法だけは知っておいたほうがいい。
今回は講師が掃除の仕方も教えてくれました。洗剤を付けて泡立たせ、水で流します。いとも簡単にやってのけますが、これだけ慣れているということですよね。コツは水で流した後にしっかり乾燥させることです。
【真剣なまなざし!!】
早速、女性ススタッフがひげそりの実習をします。
顔の皮膚を持ち上げて、剃る面をしっかり見えるようにして押さえますが、これが・・・なかなか難しいですね。上下に動かしたりがなかなか怖くてスムーズにはいきません。
高齢者の場合は特に皮膚のたるみがあったり、入れ歯を外している事で口周りが安定しなかったりで、本当に剃るのが大変です。ぴんぴんはねたひげが、シェーバーの機能が無く剃り切れなかったり、色々な苦労があります。
私も以前、毎夕ひげそりをするおじい様のところに訪問に行っていましたが、長いひげが伸びてなかなかカットができずに、私自身もストレスになったことがありました。
数日でも男性はひげが伸びてしまって、見た感じがやつれているようにも見えてしまいます。私たちができる唯一の身だしなみのお手伝いは、気分を爽快にすることや、今までの生活の呼び越しにも役立つことではないでしょうか?
ひげ剃りをしていると、目をつむっている利用者もそれなりに口を動かして下さったり、頬をヘルパー側に向けて下さったり。わからないようなことも、なんとなくの習慣で自然に体がうごくようです。
最後きれいに剃れた後は必ず鏡をみてもらうといいですね。身だしなみに興味がない方も少しだけ」「目」を見開いて、はにかむ姿がみられると思います。そして必ず「男前ですね~~」といえば、一日のスタートの始まりです。
これからはおしゃれにひげをそろえる方も増えてくることでしょう、使い方をしっかり把握して身だしなみのお手伝いができればと思います。