マネージャーの井上です。
介護の仕事には身体介護・生活援助のほかにもう一つ大事な仕事があります。
もしかしたらわからない人も多いかもしれませんが、皆さんは何だとお思いでしょうか?
おむつを替えて、食事を作って・・・確かに生活に欠かせないものです。
それをしてもらわないと生活ができない、生きていけない、もちろんそうです。
でももっと大事な事、それは「相談援助」です。
つまりお話を聞いて、困っていることがあればが解決できるように動く、
もっと身近で言えば、本人の苦痛を聞いてあげる事。
人間はコミュニケーションがなければ生きて行けません。
どんなに口下手な人でも必ず誰かと「会話」をしているはず。
一日1回以上は誰かと話をしているはずです。
会話によって、「その人」がどんな価値観を持っているとか、
何が好きで、何が嫌いか、どんな食生活か、どんなことに困っているか、
何気ない会話の中に「その人」の情報が沢山詰め込まれています。
よく、「会話に困るんです」という相談を受けることがあります。
かくいう私も「自分から話す」ことがあまり得意ではありません。
まず、何を話したらよいか、相手と話が合うか?を先に気にしてしまいます。
慣れてくれば、相手の情報が分かるので応用がきいて、会話がスムーズになります。
例えば、相手がサッカーが好きなら、
「試合を見に行きましたか?」
「結果はどうでした?」
「今度はいつ見に行きますか?」
「誰が点数入れました?」
いくらでも情報を引き出すことができます。
これが全く情報がない場合は、何を話したらよいかをまず先に見つけないといけません。
私の同僚には、とても話の聞き出しがうまいスタッフがいます。
彼女と会話をしていると、無意識に一方的にこちらが話をしている感覚に襲われます。
彼女は、必ずこういうフレーズで聞いてきます。
「どんな感じでした?」
「どう思います?」
YESかNOではない解答で答えられるように聞いてくるのです。
無意識なのか、意識しているのかはわかりません。
そういわれた方は、
「あれは、こうでこうだからこうなったよ」
「私は、これはこう思ったから、こうしないといけないと思ってこうしているんです」
そこからますます会話が広がります。
話が長ければよいというわけではありませんが、一言二言で終わってしまう会話では
相手を知ることができません。
先日、会議のなかでこんな話がありました。
あるスタッフから、「会話が15分で終わってしまうんです」と相談を受けたとの事。
相談を受けたスタッフは、どうしたらよいですかねとまた他のスタッフに相談。
そこで色々なアイデアや意見が出ました。
その中である提案が出ました。
「相手に興味をもつことじゃないかな?」
私も話のなかで、ちょうどおんなじことを思っていました。
まず、相手に興味を持たないと、色々な質問がわいてこない。
その人を知りたいと思ったら、どこに住んで、どんな食べ物が好きで、
何が趣味で、お休みは何をして、等どんな質問でも出てきます。
まずは、相手を知ろうとすることが大事なようです。
自分を知ってもらうことが嫌な人はいないのです。
皆さんは、昔話したことをきちんと覚えてくれていて、うれしかったことはないでしょうか?
「こんなことまで覚えていてくれたんですね?」
「名前を憶えてくれていたんですね」
それだけでもうれしいものです。
もし、今自分のコミュニケーション力に自信がない方は、一度確認してみてほしいと思います。
自分は相手の情報をどこまで、知っているだろう?
利用者さんや同僚や上司など目の前の相手の、
ペットの名前、好きな花、好きな芸能人、好きなテレビ番組、好きな食べ物、
大好きなお酒の種類、大好きなお菓子の名前、大好きなパンの種類、
あなたは、どれくらい出てきますか???