更新日:2014.06.25 - スタッフブログ
今回はみなさんに気になる一冊を紹介します。
「私は三年間老人だった」 パット・ムーア著
この本は当時26歳の工業デザイナーだった著者が、85歳のおばあさんに変装し、街中に潜入し、高齢者の日ごろの生活や、人とのかかわり方を体験し、感じたことを記録したものです。
ときにお店で理不尽な対応をされたり、街で暴行されたり危険な目にも遭います。
その体験の中で、高齢者に対する偏見や高齢者自身が社会で必要とされないと思ってしまうことにも憤りを感じます。
著者は、体験の中で最後に子供を育てる親である大人に向けてメッセージを送ります。
その中の一つ
『あなたの子供に、望ましい状況のもとで、老人たちと接する機会をできるだけ多く作ってあげてください』
これは幼児期から、限られた交際範囲の人とだけかかわらず、様々な年代の人とかかわることで、偏見がなくなり、人生がより豊かになり、多様な考え方が身に付くようになるといったメッセージです。
未来の社会において高齢者と子供たちがおしゃべりをして楽しそうに過ごしている・・そういう姿がづづくといいなあと思ったとても素晴らしい一冊でした。